大谷知子

子供の足と靴のこと

連載96 「爪は、足の大切な器官です。」

今回は、爪について書いてみたいと思います。

爪についての知識は持っているものの断片的。ちゃんとまとめてみたいと思ったからです。

まず、そもそも爪とは、何なのでしょうか。

爪は、表皮が角質化したもの。つまり、皮膚が硬くなったものです。

何でできているかと言うと、主にはタンパク質の一種であるケラチンです。その他は、ウィキパディアによると水分が「12〜16%」、脂肪が「0.15〜0.75%」。水分量は、外的要因によって変動し、乾燥する冬期には減少し硬く脆くなる。冬には、手などの皮膚が荒れやすくなりますが、皮膚が硬化したものである爪も同じということです。

次に構造は、下の図のようになっています。

1=爪甲(そうこう)、2=爪溝(そうこう)、3=爪半月(そうはんげつ)、4=爪上皮(そうじょうひ)、いわゆる甘皮(ウィキペディア「爪」より引用)

両脇にある溝(図の2)は、爪が真っ直ぐに伸びるためのガイドラインの役割を果たしています。根元の白い半月型の部分(同3)は完全に爪になっていない新しい爪。白いのは、水分を多く含むためです。また、半月が大きいと健康という認識を持っている方がいらっしゃると思いますが、現在では健康との関連性はないというのが定説になっているようです。大きさは、個人差があり、また例えば親指は大きいが小指は小さいなど、爪の大きさによっても違いがあるようです。

どのくらい伸びるかと言うと、「成人の手の爪で一日に約0.1㎜、足の爪はその半分」(ウィキペディア)だそうです。また、伸びる速度は新陳代謝に比例し、新陳代謝の良い子どもの方が大人より早く伸びます。

生爪を剥がすと言いますが、もしも爪が剥がれてしまうと、再生するまでに足の爪は、1年以上かかるようです。そして、非常に痛い。さらに歩きづらくなります。痛みによるだけでなく、指に力を入れることができなくなるので、歩行が不安定になるからです。

このことから、足の爪が果たしている機能が分かります。つまり、歩く時に指先に力が入るようにし、歩行をスムーズ、かつ安定させ、さらに体を安定して支える働きをしているのです。

●欠け割れ、そして巻き爪

だからこそ、爪にトラブルを起こさないことが大切ですが、どんなトラブルがあるでしょうか。

初めて子どもを持った親が、誰しも経験するのが、爪の欠けや割れではないでしょうか。欠けや割れは、歩き始める前の乳児にも見られます。

原因には、生理的なものもあります。赤ちゃんの爪は、柔らかくて薄い。かつ新陳代謝が活発なため、伸びるのも早い。その結果、新しい爪が伸びてくる前に古い爪が割れてしまうということです。

でも、ハイハイをしたりと動けるようになると、どこかにぶつけるとか、外的要因が加わることによって、欠けたり、割れたりすることもあります。この場合、出血が見られたり、ひっかき傷があったりするでしょうから判断がつくと思います。

また、栄養的要因で割れることもあるそうです。このケースでは爪の色が極端に悪かったりするようなので、心配なら皮膚科に診てもらうので良いでしょう。

そしてさらに動きが活発になり、靴を履いて歩きようになると、起こり得るトラブルの代表は、陥入爪、つまり巻き爪です。

巻き爪が進行すると痛みが生じたり、爪が巻いている患部からバイ菌が入り化膿することもあります。

巻き爪には、靴が大きく関わっています。指先が靴のつま先に当たっていると、歩く度に爪に力が加わり正常に伸びられず巻いてしまいます。

この状態は、小さい靴はもとより大きすぎる靴でも起こります。靴の中で足が安定しないため、歩く度に足が前にのめり、指先が靴のつま先に当たってしまうからです。

また、適正なサイズの靴を履いていても、履き方が正しくない、つまりカカトを合わせてその位置でベルトやヒモで固定していないと、足が靴の中で動き、大きすぎる靴を履いているのと同じ状態になり、巻き爪の要因になります。

爪の切り方も重要です。丸く切ってはいけません。足の爪は、真っ直ぐに切ります。

そして、手入れも肝心。石鹸をつけ指で洗い、時々はブラシも使い溝の汚れも落とす。洗った後は、保湿クリームをつける。

ここまではなかなかできないでしょうが、ケアが必要ということを意識し、時々でも注意して点検するだけでも、爪の健康に繋がるのではないでしょうか。

大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。