大谷知子

子供の足と靴のこと

連載95 「足を測ってみよう!」

前回の“「足囲・足幅・ウィズ」考”では、これらの足・靴関係で使われる用語の正しい意味について書きましたが、一般の方には余り関係ない内容だったかもしれません。

そこで今回のテーマは、「足を測ってみよう!」です。

自分で測るには、計測器や目盛りが印刷された計測スケールが必要です。

下の画像は、このコラムの連載⑰で紹介した「リコスタ」取扱店のワカヤマ(神奈川県相模原市)さんでの計測風景です。計測に使っているのは、「リコスタ」オリジナルの計測器です。

ネットで「足 計測器」を検索すると、「リコスタ」オリジナルほど立派ではありませんが、いくつもヒットします。計測器を入手するのも、一つの方法です。

目盛りが刻まれた計測スケールは、「リコスタ」ホームページの下記リンクからダウンロドすることができます。

但し、このスケールに刻まれている目盛りは、「リコスタ」のサイズに合わせたものです。

これを参考に、インターネットの検索窓に「足 計測スケール」あるいは「足 計測スケール ダウンロード」と入力し検索してください。いくつものページがヒットするので、その中から目盛りがセンチで刻まれ、使い勝手の良さそうなものをダウンロードし、印刷してください。

●紙の計測スケールを使ってみる

では、紙の計測スケールを使って測る方法を紹介しましょう。

まず、足長=足の長さを測ってみましょう。

印刷した計測スケールに足の輪郭が描かれていたらカカト、描かれていなかったら「0」のラインにカカトを合わせて立たせます。

前回のコラムに書きましたが、足長とは「踵点=カカトのいちばん出っ張ったところからいちばん長い指の先端までの長さ」です。注意したいのは、カカトの出っ張ったところは、立った時、地面や床に着くカカトのポイントよりも外側にあるということです。この点を注意しないと、得られる計測値が実際の長さよりも短くなってしまいます。

このような事態を避けるために下のイラストのように三角定規を立て、三角定規に合わせて立たせてください。

筆者著『子供靴はこんなに怖い』(宙出版刊)より

そして、いちばん長い指の先端の目盛りを読みます。但し、いちばん長い指は、親指とは限りません。親指の隣の指がいちばん長ければ、その先端まで。それが、足長=足の長さです。

足幅、足囲を測ることもできます。

親指と小指それぞれの出っ張ったところをマークし、二つを結んだ長さが、足幅=足の幅です。足囲は、二つの点を通るようにグルッとメジャーを回して測ります。

得られた計測値から靴サイズを判定しますが、足長の計測値が、例えば「19.2㎝」ならば、靴サイズは「19.5㎝」です。また、左右で長さが違った場合の靴サイズは、長い方に合わせます。

測ったら、うちに子の足長は、19.0㎝だった。でも、履かせていた靴は、20.0㎝。大きすぎたのかしら。

測ることが大事なのは、こんなことに気づけるからです。

実際、靴サイズを間違って認識している人は多く、大人の例になりますが、8割くらいの人が靴サイズを誤認していたというデータもあるくらいです。

さあ、測ってみましょう!

大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。