大谷知子

子供の足と靴のこと

連載-104-アマゾンで見つけた小児靴の本

 久しぶりにAmazonで「shoes children」と入れて検索してみました。検索語が英語なのは、アメリカのサイト、amazon.comで検索したからです。

 Amazonがまだ書籍しか販売していなかった頃、amazon.comで前記の言葉で検索してみたところ、検索結果は数ページ以上に渡り、アメリカでは靴をテーマにした子ども向けの本が、こんなにも出版されているのかと驚いたことがありました。それを思い出し、現在はどんな感じなのだろうと検索してみたのでした。

  結果は、かつてとは違っていました。

 結果は、15ページにも及んでいましたが、各ページにスニーカーが数足ずつ含まれていました。検索カテゴリーは「books」としましたが、現在のAmazonは、靴はもちろん何でも販売しています。その影響でしょう。

 でも、興味をそそられる本がありました。

 書名は『Pediatric Shoe Guide』。

 発行は、2026年4月。新刊です。そしてKindle版、つまり電子版もあったので購入し、ダウンロードしました。

 書名は、日本語では『小児靴ガイド』。

 「足や歩行に問題のある子どものための、適切なサポート機能を備えた靴の選び方」と長い副題が付いています。また、「小児理学療法士と作業療法士に向けて」と対象読者も記されています。

 著者は、フアン・ヴァレンズエラ(Juan Valenzuela)さん。ワシントンD.C.を拠点とする小児靴フィッティングの専門家。適切な靴が子供の運動能力、発達、そして全体的な健康に大きな影響を与えるという信念のもとに活動し、セラピストや医療従事者が子どもの靴に関して適切な判断を下せるよう支援していると記されています。

    『PEDIATRIC SHOE GUIDE』written by Juan Valenzuela

靴は、眼鏡のようなもの…

 そして本書を執筆した目的は、以下のようにありました。

 小児理学療法士や作業療法士の多くは、靴選びが重要であることを理解しているが、靴を評価したり、その靴を選んだ理由を説明するシンプルで確実な方法を習ったことのある人はほとんどいない。そんな人たちのために簡単なテストで靴を評価する方法や、特定の症状に合った靴の選び方などを実用的な枠組みに整理した。

 その枠組みは、目次に表れていると言えるでしょう。訳してみると、

 第1章:足や歩行の問題に対して靴ができること・できないこと

 第2章:サポート力のある靴を見極める5つのステップ

 第3章:装具(オーソティックスやブレース)を使用する場合の靴選び

 第4章:適切なフィット感の確認方法

 第5章:より良い靴選びのための足の形状の把握

 第6章:留め具(クロージャー)の重要性と安定性への影響

 第7章:季節の靴とフォーマルシューズ、実際に役立つのはどれか

 第8章:整形靴を推奨すべき場合・すべきでない場合

 第9章:靴選びでよくある間違いとその対処法)

 第10章:枠組みの活用=実際の靴の選択肢

 確かに実用的です。私がお母さんやお父さんに伝えたいこと、それに私が知りたいことも書かれているようです。

 また、前書きに印象深い記述がありました。

 あるセラピストから聞いたという「「サポート力のある靴は、視力の悪い人にとっての眼鏡のようなものだ」を引き、眼鏡は目そのものを治す訳ではないが、その人がより良く活動するのを助けてくれる。続けて要約すると、靴について次のように記しています。

 靴も足や歩行の状態を根本的に治すわけではないが、安定性を高め、足や脚への不要な負担を減らし、子供たちが立って過ごす長い時間の中で、治療をサポートする役割を果たしてくれる。

 まさにその通りであり、治療においてだけではなく日常生活での足と歩行をサポートし、健全な足に導いてくれます。

 サポート力のある靴とは、どんな靴なのか等々。これまでも書いてきましたが、次回は、本書ではどのように書いているか紹介します。

大谷知子(おおや・ともこ)
靴ジャーナリスト。1953年、埼玉県生まれ。靴業界誌「靴業界(現フットウエア・プレス)」を皮切りに、靴のカルチャーマガジン「シューフィル」(1997年創刊)の主筆を務めるなど、靴の取材・執筆歴は約40年。ビジネス、ファッション、カルチャー、そして健康と靴をオールラウンドにカバーし、1996年に出版した「子供靴はこんなに怖い」(宙出版刊)では、靴が子どもの足の健全な成長に大きな役割を果たすことを、初めて体系立てた形で世に知らしめた。現在は、フリーランスで海外を含め取材活動を行い、靴やアパレルの専門紙誌に執筆。講演活動も行っている。著書は、他に「百靴事典」(シューフィル刊)がある。